韓国にとっての皇室


天皇陛下は韓国の味方」と書く韓国メディア 改元で目論む政治利用

4/25(木) 8:01配信     デイリー新潮

日本メディア記者「どうしておたくの国の歴代大統領は口汚い反日発言を繰り返すのか。さすがに日本人も怒っていますよ」

在東京韓国大使館員「ちょっと待って。我が国の大統領を非難するのは止めてほしい」
記者「国のトップである政治家の発言や力量を批評するのは当然のことです」

大使館員「では、あなたたちは天皇を批判されて許せますか」

記者「許し難いですね」

大使館員「それと同じこと。日本のトップは天皇、韓国に天皇はいないから大統領がそれに当たる。つまり我が国の大統領が貶(おとし)められることは、あなたたちが天皇を蔑(さげす)まれることと同等なのです。分かりますか?」

 ある大手メディアで韓国問題を取材している記者は、在京の韓国大使館員との間でこんなやり取りがあったと明かした上でこう嘆く。

「そもそも、政治家ではない天皇陛下と大統領を比較すること自体がナンセンスですが、必ず疑獄に巻き込まれる韓国の大統領と、我が国の天皇陛下を同列視するのには呆れましたね」

 こうした「歪んだ天皇観」が、日韓関係を一層悪化させていることに、果たして韓国の人々は気付いているのだろうか――。

 令和への改元を目前に控え、目下、日本は慶賀の空気に包まれているが、そこに水を差すのが「困ったお隣さん」の韓国である。彼らが目下、日本を攻撃する際の格好の「ターゲット」として照準を定めているのが、事もあろうに「天皇」だという……。
天皇vs.安倍官邸を煽るメディア
「5・1」。この日は、日本にとって極めて重要な一日となる。言わずもがな、平成から令和への改元が行われる日だからである。

 現在、天皇皇后両陛下は思い出深い旧正田邸跡地などをおふたりで訪問され、平成の御代を締めくくろうとなさっている。また皇太子殿下と雅子妃殿下は、令和時代に向けて、今まで以上にお心を整えていらっしゃるに違いない。だが韓国は、御代替わりという時代の変わり目こそ「狙い目」と言わんばかりで、

改元を『奇貨』として、皇室と安倍政権の対立を煽ろうとしている論調が目に付きます」(韓国ウォッチャー)

 具体的に見てみると、そもそも「令和」というネーミング自体に疑義を呈していて、例えばこんな具合である。

〈「令和」の「和」は日本自体を意味する言葉でもある。(中略)「天皇制」をもとに安倍政権が日本中心のナショナリズムを強化しようとするメッセージを出したのではないかと言われる〉(4月1日付「聯合ニュース」)

〈「和」は、太平洋戦争を引き起こした「昭和」裕仁日王の「和」と同じである。なんだか不吉な予感を拭いきれない〉(4月4日付「京畿日報」)

〈太平洋戦争を起こした裕仁天皇元号が昭和だったことを考えれば、令和は「日本らしさを命じる」や「昭和時代への回帰を命じる」という意味として受け止めることもできる〉(4月5日付「週刊東亜」)

 令和が昭和への回帰を命じているとは、時代錯誤も甚だしいイチャモンにしか思えないが、こうした「令和揶揄」とは裏腹に、

〈今回の日本の新元号制定を機に、韓国政府は賢い対日関係を再び構築しなければならない〉(前掲の「京畿日報」)

 と、改元を日韓関係改善の好機として捉えるべきであるとの「前向き」な見解もある。しかし、そこは反日有理の国。その方法およびロジックは、やはり日本人の感情を逆撫でするものと言わざるを得ないのだ。

 まず、彼らの前提となっている「対日現状認識」を探ってみると、

明仁天皇は、安倍総理などの右傾化した日本の政治家らとは相反する歩みを示した。平和憲法の修正が生涯最大の念願の総理にとっては目の上のたんこぶだったが、韓国を含む周辺国にとっては心強い味方だった〉(同)

〈(皇太子殿下は)極右化しつつある安倍政権に唯一対抗できた立場にあった父親の明仁日王の信念を継続して推し進めることができるだろうか〉(4月3日付「etoday」)

 要は、韓国にとっての「敵」は安倍総理であり、彼らに言わせると天皇陛下安倍総理に対峙している「敵の敵」、すなわち韓国にとっての味方ということになるらしい。その味方である天皇陛下、そして皇太子殿下を「利用」して日韓関係の改善を成し遂げようということのようなのである。その証拠に、

〈悪化の一途を辿っている韓日関係を修復させる架け橋の役割として、明仁日王の訪韓を求める声が韓日両国から出ている〉

〈新しい日王の即位を機に両国関係も未来志向的に発展することを期待する〉(いずれも4月3日付「韓国日報」)

 国会の議長が天皇陛下に謝罪を求めるような「危険」な国に、陛下ご自身が足を運ばれることを望んでいる日本国民がいるとは寡聞にして知らないが、何はともあれ天皇陛下に謝れと要求しておきながら、対安倍総理に関しては「味方」として振る舞ってほしいとは何たるご都合主義か。

「複雑な皇室観」

「『軍国主義天皇』という意味で表向きは日本の皇室を否定的に捉えています。一方で……」

 と、産経新聞ソウル駐在客員論説委員黒田勝弘氏が、韓国人の「複雑な皇室観」を説明する。

「韓国では王室が途絶えてしまっているなか、特に若い人たちを中心に、古い伝統を守り続けている皇室の華麗さ、荘厳さに憧憬の念を持っている。ソウルにも景福宮という王宮が残っていて対外的には観光スポットとして喧伝されていますが、小さく、まるで映画のセットのようで、壮大でリアルな存在である皇居には到底及びません。ですから、日本に観光したら皇居を観てみたい、羨ましいという思いを持っている韓国人もいるわけです」

 憎いけれど、すごい――韓国人の皇室観をまとめるとこんなところなのかもしれないが、いずれにせよ、憎かろうが、すごいのであればその「力」を「利用」しない手はないと考えているのであろう。ゆえに、陛下の訪韓を求めるわけだ。

 韓国出身の評論家で拓殖大教授の呉善花氏が続ける。

「韓国の人は日王である天皇が1番、総理はその次だと考えています。仮に安倍総理が韓国で慰安婦問題について謝罪したとしてもそれでは済まず、『トップ』である天皇に謝罪させなければ話は終わらない。だからこそ、天皇訪韓を求めるのです。
それでも反日は止まないでしょうけどね」

 そんなことを目論む国に、万が一、天皇陛下が訪問される日が来ることを想像すると……。

「政治と、経済や文化交流は別だと韓国は言っていますが、それは詭弁に過ぎません」

 と、元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏が警鐘を鳴らす。

天皇は政治と関係ないから訪韓してくれと、それこそ政治利用しようとしているのです。そうやって政治的な問題を解決し、日韓関係を改善して経済的な実利を得たいと狙っている。韓国は、天皇陛下上皇になられれば訪韓しやすいのではないかと考えているかもしれませんが、それが実現してしまったら韓国の思う壺。また、雅子妃殿下と父親がともに元外交官であることから、皇太子殿下、つまり次の天皇陛下は外務省への影響力を持っていて、より利用しやすいと考えていると思います」

 あまりに非礼な国、韓国。彼の国に、令和になっても礼はなし――。

週刊新潮」2019年4月25日号 掲載