クレディスイスの「グローバル・ウェルス・レポート2016」

国家予算並みの資産「国家よりもお金持ちな世界の富豪」


貧困問題に取り組むNGO団体のオックスファム(Oxfam)が発表した最新の報告書によると、わずか62人の富豪が、世界全体の半分にあたる富を所有しているという。世界有数の資産家の多くの純資産はいまや一部の国家のGDP国内総生産:一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額)と同程度、もしくは上回っている。米経済紙フォーブスが発表した2015年度のリストとIMF国際通貨基金)によるデータを基に、「国家よりもお金持ちな世界の富豪」20名を紹介する。


「資産1億円クラスの富裕層が多い国ランキング」
日本が返り咲き


2016 12 1 ZUU Online

日本が世界で2番目に資産額100万ドル(約1億1327万円)以上の富裕層が多い国であることが、クレディスイスの「グローバル・ウェルス・レポート2016」から判明した。
この層は富のプラミッドの頂点に位置し、世界成人人口のわずか0.7%と最も希少な層であるにも関わらず、世界資産の46%を所有している。2016年の世界富裕層は3293万1000人。2015年から2016年にかけては59万6000人増えた。
今回返り咲きとなった日本は、長年米国に次ぐ富裕層世界2位の座を維持してきたものの、2014年からは英国に追い越されていた。しかし再び勢力を取り戻し、過去1年間で73万8000人もの富裕層を創出。米国(28万3000人)やドイツ(4万4000人)を大きく引き離し、世界最高の伸びを見せた。
以前は13%前後の超富裕層率を維持していただけに、9%という数字はまだまだ「本調子」にはほど遠いのかも知れない。富裕層の割合は低いが、ニュージーランド(富裕層数16万6000人/3万3000人増加)、ベルギー(30万7000人/1万6000人増加)なども、着実に増加傾向にある。
一方今後が懸念されるのは英国だ。かろうじて3位を維持しているが、減少率では世界一である。過去1年間で40万6000人の富裕層が消え、日本に2位の座を返還している。
次いでスイス(5万8000人減)や中国(4万3000人減)などで衰えが見られるが、これらの三カ国では資産額500万ドルから1000万ドル(約5億6605万円から11億3210万円)の超富裕層の割合が非常に高い。超富裕層ランキングではトップ5にはいっており、逆に日本は7位という結果である。裏を返せば、所得格差がますます拡大しているということになる。

資産1億円クラスの富裕層が多い12カ国と全体の割合

12位 台湾 1%(富裕層人口35万6000人)
11位 スペイン 1%(38万6000人)
10位 韓国 2%(非公開)
10位 スイス 2%(71万6000人)
9位 オーストラリア 3%(106万人)
8位 カナダ 3%(111万7000人)
7位 イタリア 3%(非公開)
6位 中国 5%(159万人)
5位 フランス 5%(161万7000人)
4位 ドイツ 5%(163万7000人)
3位 英国 7%(222万5000人)
2位 日本 9%(282万6000人)
1位 米国 41%(1355万4000人)
(ZUU online 編集部)



プレスリリース

2016年12月9日
クレディ・スイス、「2016年度グローバル・ウェルス・レポート」


2016年の世界の富の成長は依然低迷、アジア太平洋地域は最も高く4.5%増
日本は国別で最も高い伸び率、総額3兆9,000億米ドルの富の増加を達成
クレディ・スイスはこの度、世界の富に関する包括的な調査レポートである「2016年度グローバル・ウェルス・レポート」を発行しました。今回で第7版となる本レポートによると、2016年の世界の富の成長は総じて依然低迷しています。この傾向は2013年から継続しており、2008年の世界金融危機前に見られた二桁成長とは非常に対照的です。中期的にも緩やかな加速しか予想されていません。

日本に関する主な調査結果
 日本は国別で前年に比べ最も高い伸び率を示し、総額3兆9,000億米ドルの富の増加を達成。2番目に伸び率が高かったのは米国で、1兆7,000億米ドルの増加。

 日本のミリオネア(資産総額100万米ドル超の富裕層)の数は2015年の2,088,000人から増加して2016年には2,826,000人。738,000人増は世界最大の増加数。 世界2位を維持。

 日本の超富裕層(純資産が5,000万米ドル超)の個人は世界最大の伸び率で3,600人まで増加。現在世界第6位。

 日本の富は2016年半ば時点で、主に円高効果により19%増の24兆米ドルとなった。日本の株式市場の時価総額は減少したが、住宅価格の上昇により相殺されている。

 日本のジニ係数は63%で、他のどの主要国よりも平等に富が分布。

今後5年間で、日本の富は15%増加して28兆米ドルに、ミリオネアの数は27%増加して3,602,000人に達すると予想。2021年のミリオネアの数で世界2位を維持する見込み。

日本の過去の富の増加には目覚しいものはない。日本の成人一人当たりの富は21世紀に入った時点での191,900米ドルから現在まで米ドルベースで20%増、円ベースでは7%しか増加していない。

クレディ・スイス証券株式会社プライベート・バンキング本部のCIOジャパンである松本聡一郎は次のように述べています。「世界の富は2008年に減少しましたが、それ以降は徐々に増加するトレンドでした。しかし、そのペースは金融危機前よりも遙かに遅く、長期的な停滞に向かう様相を強くしています。英国におけるブレグジットの投票や米大統領選の影響によって世界が多極化に向かっていることが確認されました。このため世界の富の低い成長トレンドは悪化する可能性が高いと言えます。より低い富の成長が『新たな標準』となるかもしれません。日本では過去に、金融資産の価格と住宅価格が共に堅調に上昇したことがないため、家計のポートフォリオにおける金融資産の相対的重要性は結果としてほとんど変化していません。ミリオネアの数に関して日本は依然、米国に次ぐ第2位を維持していますが、2000年以来、米国との差は拡大しています。」
2016年の世界の富は1.4%、すなわち3兆500億米ドルの微増で、総額256兆米ドルとなりました。この増加率は世界の成人人口の伸びと一致しています。したがって、成人一人当たりの平均的富は52,800米ドルと変化していません。世界の富の総額は、為替レートを一定と仮定すると3%増加しており、増加率は近年低下しています。レポートでは、為替変動による悪影響に焦点が当てられています。
これによってアジア太平洋地域を除くあらゆる地域で富が減少しました。加えて、株価と市場の時価
額の下落も、家計の金融資産による富の増加が相対的に小さくなる原因となりました。
国別で見ると、日本は最も高い伸び率を達成し、富の総額は3 兆9,000 億米ドル増加して24 兆米ド
ルになりました。次に大きく増加したのは米国で1 兆7,000 億米ドル増の85 兆米ドルとなっています。
英国は、為替レートと株式市場の急落の引き金となったブレグジットの投票に反応して1 兆5,000 億
米ドル減少しました。

http://search.yahoo.co.jp/r/FOR=JfkUuKxV3ijti0f5cbs5j1eH_x8ioDNy0bcIiEcKcx1p5.gKyxxLZ.UG3tza_nBzlkO15bsUwLtgwIdhXJRaEmjNJUDNczsaNtClRk87Q49iKlqhdhKFMh6Xtd.g5HZs6OrHueUW7pNUnDADWRtg3KONXI2etwmkFU9HJ.A4uvJ1e0fM3GmQ3_QpaJQwQqwoc0WQ3UgKS2sqkDWlfAR18adG1JNfPiZkRtA4.AZ4opVKCX6I7s2P.yrbC4PIZyfqrFtle0XgzTICVfvwPZ1wIhGVdOCHLp2.aHA_PcbEoHnt8um08VVq9yke8zxgT6BiRx44D1ZByBJggKmsmQ--/_ylt=A7dPegpnOJ1YEm4AiSODTwx.;_ylu=X3oDMTBtNHJhZXRnBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGU-/SIG=1b7q6prhh/EXP=1486799399/**https%3A//www.credit-suisse.com/media/production/ai/docs/jp/aboutus/pdf/2016/cs-jp-global-wealth-report-press-release-2016.pdf%23search=%27%25E3%2582%25B0%25E3%2583%25AD%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2590%25E3%2583%25AB%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25A7%25E3%2583%25AB%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AC%25E3%2583%259D%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25882016%27