フジテレビ 日枝体制 数字詐欺商法

アノニマス ポスト @anonymous201504 8月10日
内部告発】業績不振のフジテレビ「お台場みんなの夢大陸」入場者数を3倍以上に偽装か 「スポンサーに400万人超来場といって騙し、400万人分の広告出稿料を貰っている」株主総会大荒れ~ネット「押し紙と一緒じゃねえかww」

フジテレビ「お台場みんなの夢大陸」入場者数を偽装か フジHD株主総会

8/9(木) 18:19配信  週間金曜日  

業績不振に沈むフジテレビ、産経新聞の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株主総会が、社員の内部告発に基づく爆弾質問・動議で大揺れとなった。他メディアでは報じられない疑惑が浮上した。

壇上に居並ぶ経営陣は全員、顔面蒼白となり、1242人の株主が参加した会場は凍りついたように静まり返った。6月27日、強風が吹き抜ける東京・台場で開催された総会は、フジサンケイグループ全体の窮状を浮き彫りにするかのように文字通りの「大荒れ」となった。

株主への内部告発

筆者を含む株主に寄せられた内部告発によると、2017年の夏休み期間中、1カ月半にわたって東京・台場で開催された参加型イベント「お台場みんなの夢大陸2017」で〈来場者が実際の3倍以上に水増しされている〉という。

〈有料入場者収入はたった12億円。料金で頭割りにすると100万人も来ていない。これに無料優待入場者20万人弱を加えても、合計112万人にすぎない〉
のが事実だと暴露。

また、〈(15年の開催初年度から)毎年、スポンサーに400万人超来場といって騙し、400万人分の広告出稿料(広告料金)を貰っている。そんな不正をしても、なお6億円の赤字だ。水増しの方法は、来場者を計測する地点を4カ所つくり、それを合算する超古典的改竄方法。要は同じ人間を何度も数えるやり方での改竄だ。ガラガラの会場を見れば誰にも、それがウソだと分かる。スポンサーの広告出稿料契約は400万人だから、完全に不正水増しだ〉
と糾弾している。

さらに、〈このイベントには、電通にいる日枝久代表(80歳)の息子が以前、絡んでいた。フジ社内では『今の時代、さすがにヤバイよ』との空気もあったが、日枝代表本人への忖度に加えて、将来、フジの社長・会長・代表になる日枝の息子が絡むから誰も手を出せないでいる。この改竄は、お台場での夏休みイベントに関して、長期間行なわれていた。神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアルのデータ改竄と互角の不正だ〉としている。

会社側まともに答えず

筆者は、告発内容を紹介した上で

「イベントは東京都港湾局という公的な機関が共催となっており、オフィシャルパートナーにスバル、コカ・コーラ、特別協賛に旭化成キリンビールなど大企業も加わっている。告発内容が事実かどうか、嘉納修治会長(68歳、総会議長)自身か、宮内正喜社長(74歳)か、日枝代表に答えてもらいたい」
と回答を求めた。

これが事実とすれば、スポンサー企業を騙して、虚偽の入場者数に基づいて高く設定した広告料金を支払わせるという“詐欺商法”がまかり通っていたことになる。広告料金の基準となるテレビ視聴率や新聞販売部数を偽装するに等しく、メディア企業には絶対許されない背信行為だ。

しかし、嘉納議長は「機関として答える」として、金光修専務(63歳)を指名。同専務は「入場者数は、有料、招待、無料エリアの入場者を含めたものだ。その合計が400万人で、水増しにはあたらない」と述べて、その詳細な内訳などの実態を明らかにしなかった。

会場からは「ちゃんと答えろ!」との声が飛んだが、専務は水をゴクリと飲むばかりで、再答弁には応じなかった。

その金光専務に関する衝撃的な内部告発も筆者を含む株主に寄せられていた。

セクハラ疑惑も飛び出す

告発の内容は、〈金光専務のセクハラは社内でも関心が高い。専務は、気に入った女性を自分の担当部門に採用、出張時に同宿するなどしてセクハラが疑われている。(被害者)本人は、社内の相談窓口や労働基準監督署に訴えると言ったが、専務が思いとどまらせてしまった〉などというものだ。

筆者は、会社提案の第2号議案(取締役17名選任)の修正動議の中でこの問題を取り上げ、「金光専務には社内の女性に対するセクハラ疑惑があるとの内部告発が寄せられている。それが真実かどうか不明だが、疑惑をかけられること自体が問題だ」と指摘。

また、「フジサンケイグループ代表の日枝取締役相談役は昨年6月まで社長・会長のトップの座に29年間も在職、取締役在任は今年で35年に及び、フジテレビの視聴率低落、産経新聞社の赤字転落を招いた。嘉納会長、宮内社長も日枝氏の秘書上がりで、日枝代表の「院政」支配が続いている。遠藤龍之介取締役(62歳)は、安倍政権が強行したカジノ法について『いよいよ始動する』と評価し、お台場への誘致に力を尽くす、と揚言。清原武彦取締役(80歳、産経新聞社相談役)は、報酬を赤字の産経新聞社に寄付すべきだ」などとして、議案そのものを削除するよう求めた。

さらに、筆者は南直哉監査役(82歳)の再任も「認められない」と第3号議案削除を提起。南氏は原発事故のデータ隠し事件で東京電力社長を引責辞任したが、12年間もフジの監査役を務め、今回再任されると16年間も在任することになる。「南氏が監査役として居座っていることで、フジテレビや産経新聞原発事故の正確な報道や東電批判ができない。南氏は監査役として『お台場みんなの夢大陸』の入場者数偽装問題を見抜けたのか。自ら身を引くのが最大の責務だ」と、その理由を述べた。

「質疑打ち切り」強行

しかし、嘉納議長はこれらの修正動議について「原案と一括して審議の上、採決する」として、会場内の出席株主の賛否の実数を数えることなく、動員された社員株主ら一部株主の拍手だけで決めてしまい、個別の審議・採決を行なわなかった。筆者が出した嘉納議長の不信任動議に対しても、社員株主らの拍手だけで否決。その後、嘉納議長は質疑打ち切りを画策したが、これに対して株主からの動議が相次いだ。

ところが、嘉納議長は「総会の議題に含まれていないので不適法」と採決を拒んだり、「私は反対」などと述べて社員株主らの拍手だけで否決してしまったりした。

放送法4条2号(政治的に公平であること)を守る動議」などについても、嘉納議長は「総会の目的と異なるので不適法だ」として採決しなかった。その直後に、嘉納議長は株主の賛否の実数を数えることなく、社員株主らの拍手だけで「質疑打ち切り」を強行、議案の採決に入ってしまった。

総会には1242人の株主が参加したが、質問できたのはわずか12人、その中にはこれまでと同様に社員株主も含まれていた。ひたすら閉会を急ぐ嘉納議長の乱暴な議事運営で、総会は昨年より17分短い2時間41分で終了した。

今年も「やらせ総会」

フジHDの総会決議取り消しを求める裁判で、東京地裁は2014年の総会について「適切な株主総会の議事運営とは言い難い」と批判。東京高裁も「各決議の方法には一部不公正な点があった」と指摘している。

15年の総会についても地裁は「株主総会の議事運営のあり方としては不適切」と指弾している。現在、いずれも最高裁で審理中だ。

今年の総会もまた、こうした裁判所の指摘・批判を黙殺し、社員株主を動員した形での著しく不公正な「やらせ総会」であったことは明白だ。総会終了直後の7月2日夜、日枝代表は、東京・丸の内のホテル内で安倍晋三首相と会食した。この事実が、何よりも、構造的に批判精神を喪失しているフジHDの真の姿を明示している。

(松沢弘・反リストラ産経労委員長、経済ジャーナリスト。『週刊金曜日』2018年7月27日号掲載)