家族に迷惑をかけたくないから家族を殺す


祖父母殺傷:少年「生徒に殺意。迷惑避け、まず家族を」
2018/10/20 10:58

 埼玉県和光市のマンションで80代夫婦が刃物で殺傷された事件で、祖母に対する殺人未遂容疑で逮捕された孫で中学3年の男子生徒(15)が、県警の調べに「学校に許せない生徒がいて殺すつもりだったが、家族に迷惑をかけたくないので、まず家族全員を殺してから実行するつもりだった」という趣旨の供述をした。捜査関係者が明らかにした。県警は慎重に供述の裏付けを進めている。
 県警は20日、男子生徒を殺人未遂容疑でさいたま地検に送検した。
 男子生徒は18日夕、マンションの居間で祖母(82)の首を刃物で切りつけ、重傷を負わせたとして逮捕された。祖父(87)は腹を刺されたことによる出血性ショックで死亡。祖父の上半身には複数の刃物によるとみられる十数カ所の刺し傷や切り傷があり、一部の傷は内臓まで達していた。県警は強い殺意があったとみて殺人容疑でも事情を聴くことにしている。

 捜査関係者によると、男子生徒は祖母への殺人未遂容疑について「自分でやったことに間違いない」と容疑を認め、さらに「学校に許せない生徒がいて殺すつもりだった」などとも供述しているという。
 男子生徒は事件後間もなく現場を立ち去り、翌19日午前9時50分過ぎ、約20キロ離れた同県川越市川越駅東口ロータリー前で警戒中の捜査員に確保された。男子生徒は所持していたバッグの中に複数の刃物を隠し、一部には血痕が付着していた。
 県警によると、男子生徒の両親は「祖父母との間でトラブルはなかった」などと話しているといい、事件の経緯を詳しく調べている。【鈴木拓也、中川友希、畠山嵩】


祖母「死ぬ前にトイレへ」、応じた少年 恨みなかった?

10/20(土) 20:44 朝日新聞

埼玉県和光市のマンションの一室で80代夫婦が殺傷され、同市に住む孫の中学3年の少年(15)が祖母への殺人未遂容疑で逮捕された事件で、祖母が「トイレに行きたい」と求め、少年が応じていたことが、捜査関係者への取材でわかった。祖母はトイレ内から少年の母である娘に電話して来宅を求め、事件発覚につながったという。

 また、捜査関係者によると、少年が「学校に許せない生徒がいて殺そうと思っていた。家族に迷惑をかけたくないと思い、まず家族を全員殺してからにしようと思った」という趣旨の供述をしているという。少年が通う私立中学校は、友人関係のトラブルはなかったと説明しているが、県警は少年が祖母の求めに応じていることも含め、動機が祖父母への直接的な恨みなどではなかった可能性があるとみて慎重に調べている。

 事件は18日夕に発生。無職男性(87)が自宅で刃物で殺害され、妻(82)も重傷を負った。捜査関係者によると、祖父母が刃物で切りつけられた際、祖母が少年に「死ぬ前にトイレに行きたい」と告げた。少年は求めに応じ、祖母は午後6時50分ごろ、トイレの中から少年の母親である娘に「早く来て」と留守番電話を入れたという。